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Ninojiの戯れ言

FBから

宗田哲男先生の著書「ケトン体が人類を救う」を読まれた読者も多いだろう。実は、この本が、私のこれまでの医学と縁を切るきっかけになったと言っても過言ではない。

「序章」にも述べられている「カロリー神話」「バランス神話」「コレステロール神話」「脂肪悪玉説(肉・動物性食品悪玉説)」「炭水化物善玉説(野菜・食部制食品善玉説)」については、すでに疑問を持っていたので、さほど目新しさを感じなかったのだが、「ケトン体危険説」を真っ向から否定した内容に「これまでモヤモヤしていたもの」が一気に吹き飛んでしまったのである。

真っ先に「ひらめいた」のが「つわり」の起こる機序であり「つわりの予防法」であった。詳細は「私のFBの4月18日」の記事に書いておいた。

考えてみれば「卵」の三大栄養素のうち「たんぱく質」と「脂質」はそれぞれ約6gずつであるにもかかわらず「糖質」はわずか0.1~0.2gなので、どう考えても「ひよこ」になるための「エネルギー源」は「糖質」ではなくて「脂質」つまり「ケトン体」であることは明らかなのだ。「鳥類」と「哺乳類」とでは「生命が誕生するために必要なエネルギー源」が全く違うとは言えない。

「生化学の教科書」を見ても「ケトン体」は私たち人間の「エネルギー源」なりうるし、「遭難」した時も生き延びることが出来るのは「体脂肪が分解してケトン体になる」からである。
「生理学の教科書」を見ても「ケトン体」は「脂肪酸が使えない脳のエネルギー源」になると書いてある。

それはさておき

私は、後期研修が終わって「大阪府立母子センター」に5年間在籍していたことがある。日本初の周産期センターで、産科だけでなく新生児科があり、早産・妊娠性高血圧症候群・妊娠糖尿病・未熟児などの症例をたくさん見てきた。

当時、普通の早産の未熟児には生後すぐ「血管確保」をするが「輸液はブドウ糖」を使う。妊娠糖尿病から生まれた新生児の場合は「低血糖症」の危険があるので未熟児でなくても「血管確保」は重要だ。

さて「子宮内発育遅延(IUGR)」による「未熟児」というのをご存じだろうか。「先天的な異常」によるものではなく、主に「妊娠性高血圧症候群」によって「胎盤機能不全」が起こり、それが原因で成長が遅れ体重的に「未熟児」になるものである。たとえば妊娠36週目で出産しても普通体重が2500gくらいはあるのだが、1500gしかないというものだ。

ところが、生まれてくると意外と元気である。というより28週目なら普通の早産時なら「肺が未熟」で「RDS」を起こし、レスピレーターのお世話になることもある。しかし28週で1000g以下のIUGRでは「呼吸障害がない」さらに驚いたことには「血糖値が40以下の低血糖」であるにもかかわらず元気なのだ。その後「脳障害」も発生しない。妊娠糖尿病の母体から生まれた「新生児の低血糖」を見逃したら「脳障害」が必発なのとは対照的だ。

当時は微量の血液で「ケトン体」を測定できなかった。というより「ケトン体」は「悪玉」で「糖尿病」の時の「ケトアシドーシス」や飢餓状態が続いたときには「生理的ケトーシス」が起こるくらいにしか「ケトン体」を見っていなかった。今から考えると「難治性てんかん」」に「ケトン食」が有効という報告もあったのだが、まさか「脳のエネルギー源」という考えはなかったのだろう。

宗田先生も「ケトン体の簡易測定器」が発売されたことをきっかけに「ケトン体」を測定し、その結果をふまえ「ケトン体は胎児にとって(ヒトにとって)安全なもの」「胎児の成長に必要なエネルギー源はケトン体」「胎盤はケトン体の産生工場」「新生児もケトン体をエネルギー源にしている」ということを証明された。ある意味「ノーベル賞級の発見」と思ったのだ。

当時、新生児科の2年先輩(私は産科)の先生と、この本の内容につて話す機会があった。先生もすでにこの本を読まれて、同じことを考えていたということだった。つまり「IUGRの未熟児が低血糖であっても、元気であり、脳に障害を起こさなかった理由がケトン体にあった」ということだ。

しかし、この知見を「母子センター」の糖尿病専門医や産科の医師に伝えても興味を示さなかったらしい。「妊娠糖尿病の管理が間違っている」ことが「糖尿病専門医でない。まして内科医でもない一産婦人科医」でも「この知見から気づくことが出来る」にもかかわらずである。

「アフォ論文」しか認めない医学の世界で「孤軍奮闘した宗田先生の無念さ」は、母子センターの医師たちの反応や態度にガッカリしているだけの自分とは比べ物にならないだろう。宗田先生の言われる「ケトン体の逆襲」はすでに始まっている。志を同じくする私たち医師の力だけでは「逆襲」できない。いまこそ「糖質制限」を支持する皆様方のパワーも得て「今の間違った医療」に立ち向かって行きたい。協力をお願いします。

最後に「ノーベル賞級」の発見をされた宗田哲男先生に拍手を送りたいと思います。


by ninozi | 2017-04-30 17:35 | 健康 | Comments(0)

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